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「さくらほりきり」の目指す道②クラフトキットを通して手作りの持つ付加価値を広めていきたい

創業の背景と、時代とともに変わる価値観

 さくらほりきりは、1977年2月に、家業の箱職人であった私の父が一人で会社を創業しました。しかしその創業は、決して独立して社長になりたいという思いが強かった訳ではなく、突然の市場の変化により仕事が全く無くなってしまったため、生活するためには新たな仕事を見つけなければならないという状況になってしまったからです。

 そして、まだ販売する商品も何もなかったけれども、ある出来事をキッカケとして「職人のノウハウ誰でも完成度の高い商品を作れるようにしてあげれば、誰でも「作るよろこび」を感じることが出来て、そこにこれからの時代の付加価値が絶対にあるはずだ」という「発想の転換」による確信から会社を作ってしまったのです。(会社を創業した話は改めて記事を書く予定です)

 それから50年弱が経ちました。この期間で世の中の多くの変化が起こり、価値観も大きく変わっていきました。
約50年前の創業当時の価値観として聞いているのが、創業のキッカケとなったのは「和紙工芸品」というボール紙製のタンスに友禅和紙を貼ったものでしたが、当時の家庭にある実用的なタンスなどは、職人が作ったものとしてデパートや専門の家具屋さんなどでしか販売しておらず、金額もそれなりに高価なモノでした。

 それを職人ではなく「キット」として自分で作れるようにする事によって、完成度の高い作品が自分で作れ、しかも買うよりも自分で作った方が遥かに安いというメリットがある。これが当時の価値観だったようです。

 では今も同じことが言えるかというと、今では工業化が進むと同時にデフレ時代が長く続き、紙製ではなくプラスチック製のお洒落なタンスや小物入れなどが低価格で販売されており、創業時の時代背景とはまるで求められる物が変わってしまいました。

 イチ消費者としては、モノが安く買えるのが当たり前のようになってしまっていますが、中小企業の目線で見ると、とてもこのような低価格には対抗する術など持ち合わせていません。色々なモノの価格破壊が起こっており、単純な部材を販売するだけでは、価格での太刀打ちは出来ません。販売する商品にいかに付加価値を付けるかを考えていかなければなりません。

 創業時から続く「作るよろこび」を提供するという経営理念のベースはそのままに、これまでの社会の変化、更にこれからの変化を考えた時に、諸々の世の中の価値観や「手づくり」という環境が更に大きく変わっていくのだろうと思います。

 改めて我々の会社の価値観や世の中の社会的な課題に対して、どのように貢献していけるのか?また貢献だけではなく会社として存続していけるのか?について、改めて深く考え、言語化し、社会に対して当社の付加価値を発信していかなければならないと思っています。

 noteにて我々の付加価値に共感していただける方を広げるため、更に社会課題の解決に繋がる取り組みを、同じ課題で困っている多くの方に知っていただくために、情報を発信していきたいと考えています。

文章はまだまだ続きますが、ぜひ、引き続き読んでいただけたら幸いです。