誰もが幸せを感じながら人生を歩むためのクラフトキットであるために
いよいよ2025年がスタートしました。世の中は、時代の変化が速く、デジタル化やIT化が進み、中でも最近はAI(人口知能)の活用により、仕事の仕方をはじめ、人々の生活も便利になり、多くの課題を解決してくれるようになるだろうと期待しています。
ただ、AIはあくまでも生活を便利にする方法のひとつで、便利だからといって誰もが幸せを感じられるか?というと決してそうではないのではないかと思ってもいます。では、どうすれば幸せを感じられるのか?その視点を忘れてはいけないと、常日頃から考えています。
弊社のお客さまは、ご高齢の方が多く、身体的な衰えは否定できないことでしょう。しかし、多くのお客さまから「作ることで毎日を楽しく過ごしています」という活き活きとしたお手紙やお写真をいただきます。そこには「生きがいになっています」「さくらほりきりに出会えてよかった」というような大変ありがたい言葉も添えられています。その様子を伺うにつけ、いつまでも夢中になれることを持ち、日々充実していることが、本当に幸せを感じられることなのだと実感いたします。
そういうお声に応え、いつまでも「夢中になれるもの」を持ち、「生きがい」を持って人生を長く楽しんでいただけるよう、弊社も努力を続けてまいります。例えば「力が入らなくなったからできなくなった」という方には、力が必要のない商品も用意しています。力が要らないとはいえ完成度は落とさず、満足いただける商品の開発に努めています。また「初めてのものに挑戦するのが不安」という方には、購入前から完成までサポートするためのお客様相談室もあります。
「手作り」に対し、自分は不器用だから出来ないと思われている方が沢山いらっしゃいますが、我々はそういう方にこそ「手作り」を通して喜んでいただくことを目指しています。初心者だと思われている方にこそ、チャレンジしていただきたいと考えており、その為の取り組みとして、今年取り組むことのキーワードを以下の3つに設定しました。
1.作れたよろこび
2.安心感
3.夢中になれる
1.作れたよろこび
当社では、創業時より「作るよろこび」という言い回しをしてきていました。
しかしながら、時代の変化とともに、自分でなにかを作るという行動自体が圧倒的に減ってきてしまっています。それにより、「作る」という事が喜びではなく、苦手と感じてしまう人が増えているのが現状です。
でも、実はそういう方にこそ弊社商品を体験していただきたいと思っています。
なぜなら苦手だと思っている方こそ「完成した際のよろこび」は大きくなるからです。弊社のクラフトキットであれば、「作れた」という満足感を絶対に提供できるという事を広く伝えていきたいと思います。
2.安心感
苦手だと思っている方、初心者という方がいざ挑戦をする時に必要なことは、安心感だと思います。
「作れるかどうか不安」という気持ちを「安心感」に変えていけるように、更なるバックアップ体制を築き、お客様のチャレンジを支えていきます。
現在も、本社にてお客様相談室を開設し、全て経験豊富な社員が直接対応しています。そして、そこで得られたお客様からの疑問や間違えやすい箇所などを社内で共有し、多くの改善を行っています。
これらの取り組みをより多くのお客様にも知って頂き、気軽に相談いただけるようにして、安心感を持って手作りに取り組めるようにしていきます。
3.夢中になれる
昨年、私自身が色々な高齢者施設に伺い、弊社のキットをお作り頂く現場を拝見させていただきましたが、その中で気づいたことがありました。
施設では、コロナ禍でこのような手作りをする機会を中止していたところも多く、いざ再開しようとしたら、「介護度が上がってしまい、殆ど出来なくなってしまった、集中力が無くなってしまった。だから手作りをするのは難しいのではないか」と職員の皆さんが仰られる施設が多かったという事です。
更には、今年度のプログラムに参加している、経済産業省主催の「オレンジイノベーション・プロジェクト」(認知症当事者とつくる、誰もが生きやすい社会)の現場においても、「普段から集中力が続かないので、こういうことは出来ないのではないか?」というご意見がありました。
ところが実際に当社の簡単なキットを一緒に作ってみると、職員の方が驚くほど、当事者の皆さんは1時間以上も集中して完成させることが出来ていました。(もちろん認知度にもよりますが)
このことから、実は集中力が無いのではなく、夢中になれるかどうか?が大事なのではないかと感じました。決して集中力が無い訳ではなく、夢中になれないものをやらせようとするから途中で投げ出し、集中力が続かないと判断されてしまっているだけなのではないかと。
取り組み後のアンケートでも、当事者の皆さんから「もっとこういうことをやっていきたい」という満足度の高い評価を頂きました。
そしてなにより皆さんが完成し、お互いに満面の笑みで褒めあっている場面を見て、より多くの方に、このような喜びを届けていきたいと思った次第です。
私は「作れたよろこび」を通して、今後の世界的な社会課題である「超高齢社会」において、手作りの付加価値を伝えていきたいと思います。いつまでも「生きがい」を持ち、常に挑戦する若々しい気持ちで、幸せを感じながら人生を歩む一助になることが、弊社の使命であると考えているからです。
本年も多くのお客さまに弊社のクラフトキットを通し、更なるよろこびと感動を広げていきたいとの思いで、社員一同取り組んでいく所存です。